機能および制限
適用可能な断面形状
各準拠指針による主な機能
『宅地防災マニュアルの解説』『地域別指針』の場合、大地震時・中地震時の検討ができます。
各準拠指針による主働土圧計算方法
作用力の算定
作用荷重は、準拠指針により次の荷重を考慮することができます。
- 「土地改良農道」クーロン土圧選択時、上載荷重は、「農道」「水路工」から選択ができます)
- 「道路土工」「設計要領第二集」では、レベル1、2地震、「宅地防災マニュアル」では大地震、中地震の選択ができます。
- 荷重ケース数は、30ケースまでファイルに保存できます。
- 土圧の計算方法は、次の3種類より選択する事ができます。
①試行くさび法 ②クーロン土圧 ③任意土圧 - 設計に用いる土圧・水圧分布形状は、次の3つのタイプに対応できます。
①土圧のみ ②土圧+水圧(背面) ③土圧+水圧(背面・前面) - 任意荷重は、鉛直荷重・水平荷重・モ-メント荷重が考慮できます。
- 背面土砂形状は、法面設定が4ヶ所まで対応できます。
- 背面2層に対応できます。
- 見かけの震度に対応できます。
- 土圧を無視する高さを設定できます。
- 嵩上げ盛土高比を考慮できます。
- 上載荷重は、4種類まで取り扱えます。(死荷重の対応ができます。)
- 「切土部擁壁」「盛土部擁壁」の選択ができます。
- 「宅地防災マニュアルの解説」「その他地域別指針」では、
仮想背面を設定することができます。 - 雪荷重を考慮できます。自動車荷重と組み合わせる場合も考慮できます。
地震時土圧の考え方は、準拠指針により次のように扱います。
○:考慮する △:ユーザー判断 ×:考慮しない
※宅地防災、地域別指針では上載荷重を「表面載荷重」として扱っています。
直接基礎の安定計算
- 転倒、滑動、支持地盤の支持力に対する安定照査を行います。
- 偏心載荷を考慮した許容支持力の計算を行います。
- 地盤の極限支持力計算を行うか否かの選択ができます。
- 突起の計算は各準拠指針に対応しています。
- 置換基礎の計算を行います。
- 斜面上の基礎地盤の極限支持力の計算ができます。
- 安定条件の安全率(転倒、滑動、支持)をケースごとに直接入力できます。
杭基礎の安定計算
- 組杭の安定計算及び杭の地中部断面力の計算が可能です。
- 次の7種類の杭に対応しています。
①場所打ち杭 ②鋼管杭 ③RC杭 ④PHC杭 ⑤SC杭 ⑥鋼管ソイルセメント杭 ⑦H鋼杭 - 半無限長杭・有限長杭・多層地盤系の杭が扱えます。
- 杭の列数は、橋軸方向・直角方向とも30列まで入力できます。
- 杭の配置は、格子配置、千鳥配置から選択できます。又、杭の間引きも可能です。
- 多層地盤系の層数は30層までとします。
- 杭の支持力・断面力・杭頭処理は、杭基礎の設計(H24)(別売)で計算します。
(データ連動ができ、一連の計算ができます。※「擁壁構造設計指針」には未対応)
部材設計
たて壁の計算
- 荷重状態は、次の通りです。
①常時
②地震時(レベル1、2地震時、大地震時、中地震時)
③衝突時(道路土工、設計要領第二集、土地改良(農道)選択時)
④風 時(道路土工、設計要領第二集、土地改良(農道)選択時) - 無筋コンクリートとして計算します。
- 照査位置は、たて壁付け根の他に任意の位置で照査できます。
- 一度に計算できる荷重状態は、最大30ケースまでとします。
- 必要鉄筋量を算出することができます。
底版の計算
無筋コンクリートとして計算します。
- 荷重状態は、次の通りです。
①常時
②地震時(レベル1、2地震時、大地震時、中地震時)
③衝突時(道路土工、設計要領第二集、土地改良(農道)選択時)
④風 時(道路土工、設計要領第二集、土地改良(農道)選択時) - 一度に計算できる荷重状態は、最大30ケースまでとします。
- 必要鉄筋量を算出することができます。
突起の計算
鉄筋コンクリートとして計算します。
- 一度に計算できる荷重状態は、最大30ケースまでとします。
- 許容せん断応力度の補正係数(Ce、Cpt)を考慮できます。
- 斜引張鉄筋Awの算出ができます。
張出部の計算
部材設計は、鉄筋コンクリートとして計算します。
- 応力度計算は、「単鉄筋」、「複鉄筋」のいずれかで計算できます。
- 鉄筋は2段配筋が可能です。
- 許容せん断応力度の補正係数(Ce、Cpt)を考慮することができます。
- 斜引張鉄筋Awの算出ができます。
- 最小・最大鉄筋量の算出ができます。
各都市基準の主な計算概要
- 横浜市では、安定及び部材計算に土圧鉛直成分Pvは含みません。
- 名古屋市基準では、各ケース(常時、大地震時、中地震時)において表面載荷重無しの場合でも照査が必要となります。
- 滑動照査で基礎地盤の粘着力を考慮した場合、大阪府及び横浜市では、「有効底版幅B」は偏心を考慮したBeとします。
- 横浜市では、支持地盤が関東ロームの地山であることが確かめられた場合は、土質試験を行わなくても次の諸定数を用いて良いとされています。(φ=20°、C=20kN/m2)
- 名古屋市基準では、地震時にフェンス荷重を考慮しません。
- 部材応力欄の「短期強度」は、長期強度の2倍となっています。
- 神戸市の部材応力で、地震時の許容圧縮応力度は、長期強度の2倍、許容引張応力度、許容せん断応力度は長期強度の1.5倍になっています。
大阪府では、土質試験によらず「宅地造成等規制法施行令別表第二、第三」による場合は、「表の土圧係数Kaには、5kN/m2の表面載荷重が含まれているので、
載荷重による土圧は、想定される表面載荷重から5kN/m2を差し引くものとする」となっています。
改良層厚の検討
許容支持力度並びに極限支持力を満足する改良層厚を計算します。
改良強度の計算は行いません。
- 照査内容
(1)必要改良層厚
(2)必要改良層幅
(3)許容支持力度
(4)極限支持力 - 荷重状態
(1)常時
(2)地震時(レベル1、2地震時、大地震時、中地震時)
(3)衝突時
(4)風時
(5)温度時
(6)フェンス荷重時 - 作用力
作用力及び支持力の安全率は、擁壁計算から連動することができます。
また、入力する事もできます。
全体安定計算
適用基準
- 道路土工 切土工・斜面安定工指針 平成21年6月 (日本道路協会)
- 道路土工 盛土工指針 平成22年4月 (日本道路協会)
- 道路土工 軟弱地盤対策工指針 平成24年8月 (日本道路協会)
- 宅地防災マニュアルの解説(第二次改訂版) 平成19年12月 (宅地防災研究会)
- 建設省河川砂防基準(案)同解説 設計編[Ⅰ] 平成 9年10月 (日本河川協会)
- 土地改良事業計画設計基準 設計 ダム 技術書[フィルダム編] 平成15年 4月 (農水省農村振興局)
- 設計要領 第1集 土工編 平成26年 7月 (東・中・西日本高速道路株式会社)
- 土質工学ハンドブック 平成3年 10月 (土質工学会)
全体安定計算
- 擁壁の断面形状・背面盛土・切土形状・前載土砂高を連動し、全体安定計算を行います。
- 最小安全率、必要抑止力の計算を行います。
- すべり面形状は、「円弧すべり」・「直線すべり」・「折れ線すべり」に対応しています。
- 上流、下流側の2つのすべり面を同時に計算することが可能です。