最小土圧（Pa=0.3∑γ・h等）は、主働側土圧の計算において、地盤面層の土質が粘性土の場合のみ適用される考え方となります。 粘性土は、通常、粘着力cが土質性状として存在しますが、粘着力cは主働土圧の抵抗力として働いてしまう性質があることから、ｃの値が大きいほど主働土圧は小さくなっていき、条件によっては負の土圧となってしまう場合もあります。これでは、土留め壁の安全側の設計計算が成立しないため、各指針では、通常、粘性土の場合は、便宜上、砂質土とみなし、Pa=0.3∑γ・hなどの砂質土としての土圧計算式に置換えて計算するように定められています。もちろん、土質が砂質土の場合は、この最小土圧の考え方を適用する必要がないことから、そのまま通常の土質条件によってきまる砂質土しての主働土圧計算が行われます。