土留め壁の断面力計算では、計算時点における最下段切梁と仮想支持点間をスパンとする単純ばりで計算します。仮想支持点は、土留め壁の根入れ長決定のための安定計算でつり合い深さを求めた際の受働抵抗の合力作用位置を表します。受働抵抗の合力作用位置が浅くなってしまう状態で計算してしまうと、受働抵抗の作用点が浅くなり、単純ばりの最大曲げモーメントも小さな値となることから危険側の設計となります。
「仮設構造物工指針」では上記のことも踏まえて仮想支持点の最小位置を、掘削底面以深75cmとしてよいとしていると考えられます。
このため、プログラムでは仮想支持点が浅いとき、計算結果を0.75mに置き換えています。
なお、弾塑性法による土留め工の設計で、仮想支持点は根入れ長の計算で適用しますが、断面力計算では適用しません。
