Question
転倒照査方法で、転倒モーメントと抵抗モーメントの比率で検討する「安全率法」と、合力作用位置がどこにあるかで照査する「距離法」があるが、どちらで照査すべきですか。
シリーズ:エクシードシリーズ
製品: かご工・平張工の設計
カテゴリー:土木技術の考え方・プログラムの考え方
更新: 2024年10月24日
Answer
じゃかご工法の手引きと解説(2022年10月)のP.161によると、『安全率法によることを基本とし、安全側の考えから距離法も同時に適用するものとする』とされています。
これは、どちらの照査方法も擁壁が剛体であることを仮定してのものであるが、安全率法は擁壁がつま先を中心に回転しないかどうかに主眼がおかれ、距離法は荷重の前方への返信を規制することで鉛直地盤反力が擁壁のつま先に集中するのを抑え、擁壁が回転変形することを防ぐ意味を持っている。じゃかごは、中詰め材の再配置により底面の荷重はある程度分散され、荷重分布は剛体のそれとは異なることから、特に剛体であることを仮定した距離法については、条件を満たせば望ましいものの、十分条件ではないと考えられているためです。