Question
安定計算結果の「支持力の検討」で赤字(NG判定)となった場合、青字(OK判定)にするためにはどうすれば良いか?
シリーズ:プライム
製品: 任意形擁壁設計システムST
、任意形擁壁設計システムEX
タグ: 任意形擁壁
カテゴリー:土木技術の考え方・プログラムの考え方
更新: 2025年02月07日
Answer
支持力の照査は、「安定計算の条件2」の「支持力の照査方法」にある2つの方法の何れかの方法で照査を行います。
- 「鉛直力と比較して照査」を選んだ場合
擁壁に作用する鉛直力Vが 許容鉛直支持力Ra以下であるかどうかの照査を行います。
この方法の場合、作用力の偏りに影響されません。
そのため、鉛直力が小さくなるように形状を小さくする等の対策を検討いただく必要がございます。
- 「地盤反力と比較して照査」を選んだ場合
擁壁底面における地盤反力度の最大値qmaxが許容鉛直支持力度qa以下であるかどうかの照査を行います。
荷重の合力作用位置dによって、以下の式より算出します。
[荷重の合力作用位置dが擁壁底面幅中央のB/3の範囲にある場合]・・・台形分布 ※B/3≦d≦2B/3

q1 = 鉛直力V / 底面幅B ・(1 + 6・偏心距離e / 底面幅B)
q2 = 鉛直力V / 底面幅B ・(1 - 6・偏心距離e / 底面幅B)
qmax = Max(q1,q2)
[荷重の合力作用位置dが擁壁底面幅中央のB/3から2B/3の範囲にある場合]・・・三角形分布 ※B/6≦d<B/3 または 2B/3<d≦5B/6

qmax = (2・鉛直力V) / (3・荷重の合力作用位置d)
よって、荷重の合力作用位置dの位置が前面・背面のどちらかに偏っている程、最大地盤反力度qmaxは大きくなります。
そのため、鉛直力自体を小さくする、荷重の合力作用位置が底版の中央付近に近づくように擁壁形状のバランスを調整する、等の対策が考えられます。