Question

安定計算結果の「滑動の検討」で赤字(NG判定)となった場合、青字(OK判定)にするためにはどうすれば良いですか?

Answer

滑動照査は以下の式により求まる滑動安全率が必要安全率以上であれば安定という判定となります。

滑動安全率Fs = 滑動に対する抵抗力 / 滑動力
(※突起を設ける場合は、滑動安全率Fs = せん断抵抗力 / 滑動力)

滑動に対する抵抗力は選択した基準により若干異なりますが、次式により算出します。

滑動に対する抵抗力 = V・μ + c・B
ここに、V : 擁壁底面に作用する鉛直合力 (kN)
    μ:擁壁底面と地盤との間の摩擦係数で、μ = tanφB
    c:地盤の粘着力 (kN/m2) (一般的にc = 0)
    B:擁壁底面幅 (m)

滑動力は常時の場合、次式により算出します。

滑動力 H = PAH + PWH
ここに、PAH : 土圧合力の水平分力 (kN/m)で、PAH = PA・cos(α+δ)
    PWH:水圧による水平力 (kN/m)
    α:土圧作用面のなす角 (重力式擁壁であればく体の背面傾斜角)
    δ:壁面摩擦角

滑動安全率を大きくするためには、分母の滑動力(水平力)を小さくするか、分子の滑動に対する抵抗力を大きくする必要があります。

滑動に対する抵抗力を大きくするためには、鉛直合力Vを大きくすれば良いというになるため、擁壁寸法を見直し擁壁自重および裏込め土砂重量を増やして検討を行うことが一般的です。
重力式擁壁であれば、く体の背面傾斜角αを大きくし滑動力を小さくする事も有効です。

この他に滑動力を小さくするため、裏込め土の埋め戻しにEPS(発泡スチロール工法)を用いる事もありますが、EPSを用いた場合の土圧は、土圧係数を直接入力していただく必要があります。


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